P.S.クロイア(クロイヤ)
(1851―1909年)
スケーエン派とよばれる写実主義、民族主義のデンマークの画家です。下の画像は、『夏の夕時』
という絵画です。フランス印象派の影響を受けたクロイアは、デンマーク帰国後、故郷のスケーエンで
自然と人々の生活を描きました。ユトランド半島最北に位置する小さな漁村、スケーエン。19世紀頃から
芸術家が移り住んできたそうです。腕時計のブランドとしても有名。デンマークのスケーエン美術館では
この町の歴史そのものとも言える、芸術家の作品が鑑賞できます。デンマークだけでなく、ヨーロッパ大陸
最北端に位置するスケーエンでは、その細い地形のため、先端部分までいくと東西の海を分け、左右からの
波がぶつかり合うという、世界的に珍しい光景が見られるといいます。神秘的な景色に、画家クロイアも
魅せられたのでしょう。スケーエン派芸術を育んだ、風光明媚な町。小さな漁村ですが、ヨーロッパ中から
観光客が訪れる、人気観光スポットです。スケーエン美術館で絵画を鑑賞した後、観光地めぐりをすると
感動もひとしおでしょう。
油絵 クロイアの名作「夏の夕時」
スケーエン
芸術家たちを育んだ楽園
デンマークの楽園、スケーエンが生んだ画家クロイアの、『夏の夕時』。デンマークの風光明媚な景色が
描かれています。シルクの様な白いドレス、茶色の犬、波の囁き…それだけで絵になりますね。クロイアは
妻と犬と自身が海岸を散歩している絵画も描いてますが、この絵の貴婦人も、奥さんなのでしょうか。
水面(みなも)に映る陽光、白いドレス、青い海。清涼感漂うこの絵は、心までも爽やかにしてくれそう…
夏にふさわしい名画ですね。ドレスの影から僅かに覗いている、色鮮やかな帽子がエレガントです。
クロイアの洗練された感性が表れている、1枚です。画家・作家などの芸術家は、海・湖・川のような
水がきれいな土地で、才能を開花させるような気がします。美しい地が、芸術家を育むのでしょう。
油絵 クロイアの名作「バラのあるガーデン」