鈴木 其一
(すずき・きいつ
1796―1858年)
江戸時代後期の絵師。 江戸琳派の祖・酒井抱一(さかい・ほういつ 1761―1829年) の弟子です。
酒井抱一は京都の円山・四条派や伊藤若冲、尾形光琳などの画法に習熟。鈴木其一は、その酒井抱一の
最も著名な、事実上の後継者であると言われています。江戸における、琳派の再興に努めました。
都会的洗練化と、理知的な装飾性の際立つ、近代日本画の先駆的な絵師だと位置づけられています。
『朝顔 (左隻)』 ニューヨーク・メトロポリタン美術館蔵。こんな和風な絵がアメリカにあるとは、意外です。
屏風の左側を左隻、右側を右隻、といいます。「隻」 (せき)は、大きい船を数えるのにも用いられますね。
この場合は屏風など、対(つい)になっているものの片方を数えるのに、用いられています。鈴木其一の
代表作に 『夏秋渓流図』、師の酒井抱一の代表作に 『秋草図屏風』 があります。俵屋宗達筆の 『風神雷神図』
は琳派の絵師はじめ
多くの画家達の
模作や模写が多数あります。
漆絵 鈴木其一の名作「朝顔」左隻
洗練されたゴージャス朝顔
屏風大作
『朝顔(左隻)』 (鈴木其一筆)。あまりにみごとで壮大な朝顔の屏風だったので、感想です^^
こんなに洗練された、しかも、ゴージャスな朝顔は見た事がありません! 私にとって、カルチャーショック
センセーショナルな朝顔です。朝顔という概念が、ガラリと変わってしまいそうです。金箔のゴールドを
背景に、目の覚めるようなコバルトブルーの朝顔。鮮やかなグリーンが寄り添い、風にたなびく様です。
圧倒されます。まさに、モダンで都会的、洗練されていますね。理知的なイメージさえ漂う。渾身の超大作。
アメリカ人に愛されるのも、分かる気がします。ところで、屏風の右隻は今、どこに在るのでしょうか?
朝顔の花言葉
「愛情」 「平静」 「愛情の絆」
「結束」 「短い愛」
「明日もさわやかに」 「はかない恋」
「愛着」 「固い約束」 など。
朝顔の俳句
「朝顔」 は夏ではなく、秋の季語。
朝顔に つるべ取られて もらひ水
(加賀 千代女)
夏じゃなくて、秋の季語だったとは…
またまた勉強になりました。
漆絵 鈴木其一の名作_四季花鳥図・右隻